言葉で未来をつくる 市川弘美です。
私がこの10年の間、どんなライター人生を歩んできたのかを、読者の皆さまに知っていただくために、ライターとして独り立ちするまでのストーリーやこの仕事への思いを綴っています。
【これまでのお話】
●第1話「人生を変えたひと言」
●第2話「「感謝」尊敬するライターの先輩たち」
今日の第3話は「ライターって書く仕事かと思ってた!」。
私はライターになった当初から、取材をしてその内容を文章にするライターとして活動しました。ライターとは「文章を書く」仕事のようですが、なんと!そのイメージは私の中でくつがされました。ライターになって分かったこと、それは
ライターとは「聞く仕事」
だということです。
文章を書かないというのではなく、「書く仕事」よりも先に、話を「聞く仕事」があるのです。
その話を聞くための取材が、原稿の仕上がりの決め手になります。
取材は初対面の1回限りで、1記事書くことも少なくなりません。初めて出会う人の話を1時間余り聞いて、その内容を記事にします。下準備はかなりやったうえで、なおかつ本番の取材は注意深く聞き、限られた時間の中で取りこぼしのないように取材をするというものです。
取りこぼしなく聞くからといって、質問攻めにしてしまうと、本質や核心までいかない間に次の話に移ってしまいます。私の取材は、質問は最初のとっかかりくらいで、その後はほとんど質問はしないで、ただただ聞くというスタイルです。
取材で話を聞き、それをもとに記事を書き、原稿をご依頼元に納品します。納品された原稿は、Webサイトや冊子、書籍などそれぞれの媒体で形となって世の中に出ていくのです。
ライターは、文章を書かないと仕事になりません。ギャラをもらえません。けれども、取材で「聞く仕事」という、原稿の仕上がりを左右する、とても重要な仕事がまずはあるのです。
この「話を聞く」ことを通して沢山のことを学べ、広くて深い知識を得られるることは、私がライターを続けている理由の一つでもあります。
次回は「出版社チェックの後、まっかっかで返ってきた原稿に書かれていたこと」をコッソリお伝えします。
お楽しみに!